Kominka Relocation
古民家を、移す
古民家の移築とは、木組みを解体し、運び、別の敷地で組み直すことです。日本の民家の架構は釘に頼らず継手・仕口で組まれているため、もともと解体と再組立ができるようにつくられています。江角アトリエは1990年以来、島根県内と岐阜県からの移築を含めて7件を手がけ、湯の川温泉の旅館「草菴」を移築した古民家の群として構成してきました。
移築という選択肢
再生は、建物をその場所で直すこと。移築は、建物を場所から切り離して次の場所へ渡すことです。土地の事情で残せない古民家、住み手のいなくなった古民家に、もう一度用途を与える手段になります。
移築では、用途を変えることができます。養蚕のための低い階高がメゾネットの屋根裏になり、商家が宿になる。架構は残り、使い方が変わります。
現地再生より難しい仕事です。解体に耐える材とそうでない材を見分ける目と、継手を刻み直せる大工の技術が要ります。蟻害や反り、割れのある材は取り替え、状態の良い床板や框は再利用します。
移築の流れ
01調査
架構の状態、部材の傷み、再利用できる材を調べます。移築に耐えるかどうかは、ここで判断します。
02設計
新しい敷地と暮らしに合わせて、架構の組み替え・耐震壁・設備を設計します。用途の変更もここで決めます。
03解体・保管・運搬
番付を付けて解体し、材を保管・運搬します。距離は敷地内から300kmまで実例があります。
04再組立・仕上げ
新しい基礎の上で組み直し、傷んだ材を取り替え、現代の断熱・設備を加えて仕上げます。
連作|草菴
湯の川温泉の旅館「草菴」は、移築した古民家を中心に10件の仕事で構成した建物群です。移築が一度きりの試みではなく、営業する宿を支えられることの証明です。
古民家の隣で、国史跡の建造物の保存修理も手がけています。鰐淵寺(釈迦堂・開山堂、5カ年)と智光院・金屋子神社。 史跡文化財の仕事 →
よくある質問
どんな古民家でも移築できますか。
架構の状態によります。解体に耐える材とそうでない材を調査で見分け、蟻害・反り・割れのある材は取り替えます。奉納山の古民家では欅と杉の柱、米松の差し鴨居、地松の梁を調べ、状態の良い床板や框を再利用しました。
どのくらい遠くから移築できますか。
敷地内での移設から、県をまたぐ移築まで実例があります。草菴レストランすゞ奈は岐阜県宮川村の大正期の古民家を島根県へ約300km運んで再生しました。
用途を変えることはできますか。
できます。明治期の旧家は談話室と7室の宿(草菴紫雲閣)に、養蚕のため階高1.5mしかなかった2・3階はメゾネットの屋根裏(すゞ奈)になりました。
費用と期間は。
建物の状態、距離、用途によって大きく変わるため、まず可能性調査から始めます。調査・設計・監理まで一貫して承ります。
対応エリアは。
島根県内を中心に、鳥取・広島・大阪・東京へも出向きます。移築元・移築先のどちらが遠方でもご相談ください。
移築のご相談
所有されている古民家、譲り受ける予定の古民家について、可能性調査から承ります。まずは写真と所在地をお知らせください。






